2025.08.13

富士OB会 特別顧問による連載コラム【第2回】

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皆さんお久しぶりです。富士学院OB会特別顧問の天野篤です。
この春から医学部に進学した方たちはやっと一息ついて、本格的に夏休みを謳歌している一方で、5年生は卒業後に働きたい病院の選定や見学に忙しい時期であり、さらに6年生はいよいよ卒業試験を控えて、その本格的準備とその後に控える医師国家試験への追い込みをはじめる季節となり、しっかりと空調の整った施設内で勉強ひとすじに取り組んでいることでしょう。

講演会などで何度もお話ししてきましたが、毎年の進級試験に始まって、6年生の卒業試験から国家試験への仕上げは皆さんが富士学院で受験勉強してきた姿勢と日常の上書きでもあります。
8月も中旬ということで、夏休み中に計画していたことも大体終えて、9月以降の授業や試験に向けての準備を開始している方も多いのではないでしょうか?私が卒業した日本大学医学部は当時、学年によって試験科目数は異なりますが、9月に入って1-2週間で前期試験が1日2科目程度の試験で行われ、夏休みに入る前に過去問と成績上位者のノートをコピーして集めておいて、東日本医科学生大会の終了と共に試験勉強を開始するというパターンでした。医学部の学生食堂の一角に実習で使う白衣や聴診器などを販売していた購買部というのがあったのですが、過去問と成績上位者のノートのコピーはかなりの学生が購入するので、まとまったものを準備しておきコピー1枚10円の費用で手に入れることが出来たのです。情報通信の発達した現在であれば、パソコンのPDFファイルなどで費用もかからずに手には入ると思いますが、当時は1回の試験に2-3万円の自己投資が必要でした。試験の1日2科目は筆記試験形式の基礎科目や一部の臨床科目では予想問題に対する解答を暗記するのが結構大変で、試験のヤマが外れると余白に自分で準備した予想問題を記載して解答を添えるという離れ業も何回となく行ってきました。現在はほとんどの大学で多岐選択型のマークシート方式を採用しているはずですが、その先駆け的な試験科目では5つある回答文から選択する際に2つまでは絞れるものの、どうしても正解が分からない場合には鉛筆を転がして決めたり、成績上位者が選びそうな方を選択するといった他力本願的な解答法も使いました。それでも約130人いた同学年の中で成績は上位から30番を下回ったことはなくて、部活の硬式テニスに多くの時間を費やした夏休みだったことを鮮明に記憶しています。

「A sound mind in a sound body=健全なる精神は健全なる肉体に宿る」という格言がありますが、それを盲信してある程度勉強と部活とのメリハリをつけていたから、成績が下位に沈まなかったのでしょう。皆さんもこの時期から富士学院で学んだ計画的な学習方法を思い出して、実行に移し、受験時代に行ってきた確実な学習の進捗を自己管理して上位の成績で定期試験を乗り切って下さい。